改造2(まとめ)
さて、ここからは第二部になる。音自体はJC120以外で気に入ったので良しとする。JCに関しては次回の製作に委ねる事にした。
完成当初から気になっていたのだが、Fat BoostをONにするとボリューム12時程度で発振する。外部のFat Boostを繋ぐと問題無い。不思議?。これをずっと解決出来ずにいたのが、ページ公開遅れの原因だった。
やっとまとまった時間が取れたので、原因を追求することにした。いろいろなところにコンデンサを付けたりしてみたが、何も効果が出ないでいたところ、Tube
Driverの基板をちょっと起こしてみたら発振が止まった!ん?、試した結果、真空管からのノイズらしい。Fat BoostをONすることによって高域も強調されるので、発振に至ってしまうのか?。対策としてFat Boostの基板をアルミで覆ったり、真空管周りをアルミで仕切ってみたが効果無し。やはり距離的に離さないとダメみたい。
結果的にFat Boost内蔵を断念した。
断念したは良いけど、ポットの穴が2つとフットスイッチが余る。そこで以前から考えていた2チャンネル化をやってみようと思う。ポイントとしては以下のようになる。
- ゲインとレベルを両チャンネル独立してプリセット出来る。
- フットスイッチでチャンネルを切り替えられる。
- 片方のチャンネルはハイゲインにする。
- チャンネル切り替えをLEDで確認したい。
以上の条件を満たすために、いろいろ考えてみた。2チャンネル化は2つの方法が考えられる。2個の回路、あるいはゲイン以降の回路を2個作り、それを切り替えるやり方。1個の回路で、可変抵抗へ行く信号を切り替えるやり方。
今回は真空管を2個付けるスペースは無いので、後者の可変抵抗への信号を切り替えることにした。まず、ゲインは問題なく片側の信号だけで双方に影響せずに切り替えられる。
問題はレベルだ。これを片側だけで切り替えると、使ってないチャンネルの可変抵抗もアースに繋がっている訳だから、繋がっているチャンネルに影響を与えてしまう。ちょうどレスポールをスイッチ真ん中にして片側ボリュームをゼロにすると無音になるのと同じだ。
ここでフットスイッチを2回路使うわけにも行かない、フットスイッチは3回路しかないのだ。いろいろと考えた...結果、LEDのON/OFFにアースを使い、それに連動したフォトカプラー(TLP521)にてVol2の1番をGNDへ落とすことにした。これでゲインの切り替えを含めても3回路でまかなえるようになった。(2006.12.03訂正)
方針が決まったので、改造回路図を書いてみた。点線で囲ってある部分が改造個所、元の回路図と比べながら見ていただきたい。では、順を追って説明しよう。
mod1:製作のとこで改造として載せたハイカット。元々は27pが付いていたが、180pにした。
mod2:やはり製作のとこで載せた低音増強。元々は0.01μFが付いていたが、0.47μFに変更。
mod3:こちらは2チャンネル化の為のスイッチ周り。mod3-1では、GAIN可変抵抗値を変えてある。元々は500kΩの指定だが、あまりにもゲインが高すぎるので、1チャンネルを100k-A、2チャンネルを250K-Aにした。250kでもゲインいっぱいにすると発振寸前である。
更に2チャンネルにハイカットの220pセラミックコンデンサも加えた。(2005.09.14更新)
えーのさんがPDFでレイアウト図を描いてくれました。
上記のMODが全て組み込まれています。(2006.12.24更新)
ここでGAIN可変抵抗について書いておく。ノーマル状態ではGAIN3時以降から音が出なくなると言う症状があり、他のホームページでも報告されている。確かに250kにしたらそうなった。そこでコンデンサの値を変えれば良いということだったので、いろいろ試してみたが改善されなかった。
いじっているうちに可変抵抗の金属部分をアースに接触すると症状が出ることに気が付いた。なので、ケースに固定しなければ普通に音が出るのだ??。他の手持ちの250k可変抵抗をテストしてみたが同じ症状。ふと気が付いて、ギター用のポットを付けて見たらOK!何故だか判らないけど、結果オーライということで解決。
(注:えーのさんは東京コスモス製16ミリ500k-Aポットで症状が出なかったらしいです2006.12.24更新)
今回、製作自体は難なく出来たのだが、改造や設定に膨大な時間が掛かった。最初からメインの歪みにしようと思って作り始めたので、あまり妥協したくないと言うこともあったし、スタジオやライヴでのテストも行ったので、着手から1ヶ月以上経ってしまった。
しかし、それなりに納得が行く歪みを得られたと思う。
2005.09.06
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