結構思い入れを込めて作ったOD-1。完成して音を聞くと何とも懐かしい音がした。
そう、松美庵はBOSS OD-1が発売されてすぐに買ったから、たぶんあの当時使っていたのは、クワッドバージョンだと思う。その後の4558オペアンプを使うようになってからのOD-1は回路的に言っても、SD-1と似ている音だと思う。
しかし、このクワッドバージョンは違う。SD-1も買って比較したが、SD-1のトーン真ん中とはまったく別物な音だ。
音はBOSS特有の上品な歪み方で、OD-2と良く似ている音がするのだが、高音の暴れ方が独特だ。この暴れが箱鳴りのような効果を加えている。
小さな音で聞くと、一瞬こもって聞こえるが、大きな音を出すとかなり高音が出ていることが判る。けして世間で言われているようにコモってはいない。
スタジオでも音を出したが、バンドの中に居て、ちゃんと存在感を与えるように抜けが良い。そして、ギターのボリュームとピッキングの強弱で歪みの反応をコントロールできる。
いずれにしても、70年代、80年代、このOD-1を使ったミュージシャンは数知れず、その音が今日の手本となっているのだから、超レアになっても致し方ないことだ。特にクワッドバージョンは市場で見つけようと思っても見つけられるシロモノじゃ無い。
せっかく過去にこんな良いドライヴがあるのだから、作らない手は無い。この製作記をきっかけに、みなさんが当時の良い音に出会えることを望みます。
2005.03.28
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