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巷では32Vのブースターが発売されたそうで、かなり良さそう．．ならば作ってみようと突然思い立ち、やはりFat Boostでテストだなということになった。

で、以前真空管エフェクター用に15V→48Vの基板を作ったことがあった。その基板とFat Boostを合体させて、高電圧ブースター?を作ってしまおうと思いついたのだった。

はたしてそのような電圧にFETが耐えられるのか？．．ちょっと調べてみたら、オリジナルのFat Boostに使われているJ201は40V、同等国産品の2SK30は50Vの耐圧だった。

なので今回は2SK30を使うことにした。そうなるとレイアウトも多少変わってくるので、ちょこっと書き直してみた。またしても余っているパーツで作ったので、巨大なコンデンサを付けている。そしてトーンのコンデンサを0.0293uF２本にして、１本と２本切り替えられるようにした。

←このリード線２本にPC用のジャンパ部品を付ければコンデンサ２本で約0.06uFになる。

また過去に４台作った経験から、ゲインPOTは要らないので基板上に半固定抵抗を付けた。コンデンサを普通にしたりゲインPOTを外部に付ければ、もっと基板は小さくなる。主にこのレイアウトは2SK30の向きと配線を中心に参考にしていただきたい。
←ノーマル用2SK30仕様のレイアウトを作ってみた。2006.11.24

今回ケースも以前Phase45に使っていた「壊れたグヤのイコライザー」のケースだ。このシリーズのケースは見ての通り、POTの穴が最大６個開けてあり、テスト用にするには最適なケースなのだった。

そして昇圧基板の作り方はこちら。この基板にもジャンパを設けて、昇圧前と後を切り替えられるようにした。→

今回は手持ちの4049基板を使ったが、MAX1044を使った簡単な33Vもある。そちらの方が手軽かもしれない。気を付けなければいけないのは、MAX1044の耐圧が10Vということだ。安定化した9Vのアダプターか9V乾電池を使用すること。

40Vオーバーにしたい場合は4049で作るしか無い。ちなみに4049の耐圧は18V、推奨耐圧は15Vまで。

さて、実際に基板を繋いで負荷をかけた状態で計測したら、9Vを入力すると21Vに昇圧。15Vを入力すると40Vに昇圧できた。無負荷状態だと44Vだったのだが、やはり若干電圧は落ちるようだ。

15Vは秋月電子で売っているスイッチングアダプターを用意した。このシリーズは安くて安定化済みでしかもノイズは無い。ただ、極性が普通と逆なので結線し直してから使わないといけない。

これで４種類の電圧を試すことができる。9V,21V,15V,40Vだ。ではレビューしましょう。

まずは9V、2SK30でも変わらず良い音を出してくれる。トーンの数値を変えているので若干中音が抜けている。これはコンデンサ0.293uFの状態。ハムバッキングPUだとこちらの方が良いようだ。

次に15V、音圧感が増して高音が伸びたように感じる。21V、音圧感、高音低音共にスキっと出てくる。40V、テープレコ−ダーからハイファイ・オーディオになったような高音低音共に良く出て、音が前に出てくる感じがする。

要するに電圧を上げるとレンジが広がり、スカっとするような音になるということだ！特に9Vからいきなり40Vを聞くと、別物なエフェクターに感じてしまうほど。9Vでもけして悪いエフェクターでは無いのに、いったん40Vを聞くと中低音がモサっとしているとか、高音が伸びきっていないとか欠点が耳に付くようになってしまう。

そして中低音が豊かなおかげか、さほど歪ませていないのにサスティンがすごく伸びたように感じる。またギターのボリュームを絞っても音痩せを感じられない。

40Vにすると、図太い中低音にザラザラした高音が簡単に出せますぞ！是非お試しあれ！

2006.11.23