さて、これといった問題も無く完成したランドグラフ。こまかくレビューしていこう。
まずはツマミの位置と説明から...
以上のような位置関係になっている。BIAS以外は説明不要だろう。
BIASは松美庵が勝手にネーミングしただけで、コレと言った名前の由来は無い(^_^;)。
動きとしては左へ廻すほどにゲインが高くなり高音強調する。逆に右へ廻せば高音が削れて行くのだが、トーンコントロールとはちょっと違う動き方なのでBIASと名付けた。
次に左横に付いているスライド・スイッチ
Marshall |
diode lift |
TS808 |
Hi |
Mid |
Low |
上側のスイッチはランドグラフに元から付いているトグルスイッチを横に付けただけ。
MarshallはLEDでクリップさせるモード。diode liftはクリップ・ダイオードを通さないモード。TS808はシリコン・ダイオードでクリップさせるTSシリーズではノーマルなモード。
下側のスイッチは松美庵がモディファイし、勝手にネーミングした。ランドグラフには確認されているだけで3種類のバージョンがあり、クリッパ横のコンデンサが違う。それを3種類切り替えられるようにしたもの。
ネーミングの通り、高音が出て低音がスカなHi、低音が出て高音が削れてるLow、その中間のMidだ。
では音作りを始めていこう。まずBIASツマミは2時方向でノーマル状態と同じ値になることを確認している。なので、BIASは2時方向にセット。次に2段のスライド・スイッチは両方とも右へセット。これでTSを基本にしたランドグラフのセッティングになる。
DRIVEはTSより歪みが多い、これは回路的に言っても明らかだ。TSは中低音を強調して音に艶を与えているが、こちらは中音が強調され、どちらかと言うとザクザクした感じの音に仕上がっている。またトーンを絞ってもモコモコした感じは無く、ある一定の高音域を可変しているようである。
トーンを真ん中ぐらいでシングルコイルのギター、フロントPUでは艶のあるTSより透き通った感じの音で、クリアな印象が残る。
次にクリッパをMarshallモードにしてみる。このモードにすると基本的には中音が強調されることになるのだが、印象としては音にコシが出る感じだ。なので歪みを薄めに掛けるにはこちらのモードが良いだろう。そして音の艶はこちらの方が良い感じ。diode
liftモードでは、クリッパを通さないので音量は上がる。ただ歪みがオペアンプで歪んでいるだけなのでサスティンが無く、松美庵としてはあまり好きではない。
そしてBIASツマミをいじってみる。一番左にすると発振寸前の高音がジャキジャキ言うぐらいになり、歪みを抑えてこの状態にすると変わったバッキングの音が作れるかもしれない。
BIASツマミは高音と共にゲインも上がるので、トーンやドライヴとも関連してきて、それぞれを調整しながら使うようになる。
面白いセッティングは、トーンを9時方向ぐらいまで絞って、BIASを9時方向ぐらいまで開けてみる。そしてゲインは低めに設定すると、太い音でなおかつ高音がザラザラしていて、ちょっと他のエフェクターでは味わえない音が出せる。
Hi Mid Low
はそれぞれ個性があり、この切り替えとBIASツマミをうまく調整することで音の印象はだいぶ変わる。
更にクリッパの切り替えが付いているので、音の種類は無限に広がる。
ごく普通に使うことを想定すると、TubeScreamerよりは高音が出ていて、透明感のあるクリアな印象が残った。
2006.10.13
ダイオードクリップ
対象/非対称
今まではダイオードクリップを非対称で固定してレビューしていたが、今回切り替えジャンパ増設と共に対称を試してみた。
まずは音量がガクンと下がり、若干歪みが深くなる。ここまで音量が下がるとLEDでクリップさせるときとの音量差が激し過ぎ!でも一度セッティングしてしまえば良いことなので、今回は何もいじらないことにした。
やはり非対称に比べると音がまとまったようになり、音を伸ばすとコ〜〜っという感じが強くなった。また感覚だけのものだと思うが、サスティンも若干伸びているように感じる。
きめ細かな歪みを求める方は対称の方が良いかもしれない。
トランジスタ GR/BL
トランジスタ(以下Tr)に関しても今までGRでレビューしてきたが、本来LandgraffはBLを使っているようなので試してみた。
両方のTrをBLに変える。ゲインはかなり高くなり音量もアップ!ただ松美庵にとってはゲインが上がり過ぎ。
特にTrの段階でゲインを上げると言うことは、オペアンプの入力段階でも歪んでいるわけだから(この辺は詳しく判らないです(^^ゞ)何とも...
印象としてはGRのようなクリアさが薄れたような気がする。LEDモードにしてゲインを下げてもクリアな音が出なくなった。音量はアップするので、上記ダイオードクリップを対称で使う人にとっては良いと思う。
で、Trはなにも両方いっぺんに変える必要は無い。上記のことを考慮すれば、基板上の右側(Q1)が入力側で左側(Q2)が出力側なので、右側(Q1)をGR
左側(Q2)をBLにするのがベストではないだろうか。もちろんハイゲインで使う方は両方ともBLが望ましい。
オペアンプ交換
LandgraffはJRC4558Dを使っているが、これもデュアルオペアンプならば交換し自分の好みにセッティングしても良いわけだ。ノーマルのJRC4558Dを基準に試してみる。
TL072CP
中低音が強調されキンキン言う高音が抑えられる。よく言えば深みのある音、悪く言えばモサっとした音。JazzやFusionであまり歪ませない太い音を出したい方には最適!
JRC4558DX
4558Dのハイゲインタイプということだ。たしかにゲインと音量が上がる感じがするが、あまり違いは感じられなかった。音質も4558Dとほぼ同じ。
JRC2043DD ゲインが上がり中低音が強調される。072ほどではないがモサっとした感じになる。上記072と4558Dの中間を行く感じかな。
他にも互換性のあるオペアンプは山ほどあるが、また時間のある時に試してみる。
コンデンサ切り替え 0.492uF
製作ページにて低音がより出るようにコンデンサを切り替えられるようにした。(だんだんLandgraffオリジナルから掛け離れていく...)
コンデンサを0.492uFにするとまずはブーミーな印象になる。回路的には低音が増強され、ゲインが上がることになるからだ。そこでBIASツマミで調整するとヌケが良くなる。
結果的には0.22uFより低音が出ながらも高音ギラギラというセッティングが出来るようになった。その分、中音が薄れていくので音の艶は少ない。クランチなセッティングが好きな方にはお勧め!BIASツマミを絞りすぎるとモサっとしてしまうので、12時ぐらいがお勧めポイントだ。
2006.10.22
|