かなりな」時間をかけて作ったPhase45だが、思い通りの音が出て満足いく完成となった。本来のPhase45に5つのModifyを加えて多機能Phaserとなった。
では操作部から説明していこう。
左上のツマミがPhase45の本来からあるSpeedツマミ。揺れのスピードを調整する。この揺れの速さもMODしてあり、ノーマルよりも速く揺れるようになっている。
右のツマミはBIASツマミ。本来のPhase45では内部の半固定抵抗になっている物を可変範囲を使いやすくしたものだ。本当はICやFETの個体差を調整するのであるが、このツマミを微妙に調整することによって、高音側でシュワシュワとか低音でシュワシュワとか音を多彩に変えることが出来る。
下のツマミは原音とフェイズ音のミックスバランスだ。左へ回すと原音、右へ回すとフェイズ音。本来の製品は真ん中に固定されているのだが、これもフェイズ音だけで音程が揺れるようになったり、原音側に寄せてフェイズ効果を薄くしたりできる。
左のLEDはエフェクトON/OFFのインジケーターと共に、フェイズスピードのインジケーターでもある。揺れのスピードに合わせて点滅する。
右のトグルスイッチは下がノーマル、上がユニヴァイブ・モード。これは揺れ幅だけでなく音の深みも大きくして揺らすようになり、あたかもロータリースピーカーで鳴らしているような音を作り出すモード。これが今回のModify最大のポイントと言えるだろう。
それでは音をひとつひとつ検証していこう。
まず音出しする時の手順から説明しよう。スピードを右いっぱいにしてからBIASを合わせる。通常は一番深く掛かっている位置にする。その後にスピードをやや遅めにして好みの位置に合わせる。以上の作業をしてから音作りをしていくようにしよう。
ノーマルモード=BIASはそのまま、トグルスイッチ下、ミックスバランス真ん中。
ちょっと物足りないくらいにさりげないフェイズ効果。カッティングやソロの時でも常に掛けっぱなしにしておいても良いような感じ。でもちゃんとフェイズ効果は出ていて、しっかり音が広がっている。フェイズ効果に関しては、以前本物を試奏した時の音よりも深みを感じる。やはりFETマッチングのおかげか?
ユニヴァイブモード=BIASはやや右へ、トグルスイッチ上、ミックスバランス真ん中。
BIASを若干高音側に回した方がロータリースピーカーっぽくなり雰囲気は出る。これはノーマルに比べると極端にシュワシュワとなる。スピードはお好みによるが速めが良い、松美庵はスピードツマミ3時方向ぐらいが良いと感じた。良いセッティングが決まると、ジミヘンのLittle
Wingのような音が出せる。この音を出すのに本来なら結構なお金と時間を費やすはずなのだが、こんな単純なことで出てしまうとは..ちょっと得した気分な音(^^ゞ。このModifyは大成功だと言える!
ヴィブラートモード=BIASはそのまま、トグルスイッチ下、ミックスバランス右いっぱい、スピード速め。
トグルスイッチを上でも面白いだろう。原音とのミックスを無くすことで音程が揺れるヴィブラート効果が生まれる。エグ過ぎる場合はミックスバランスをやや左へ回して調整しよう。
そしてある程度強めな設定にしておいて、ミックスバランスを10時ぐらいにすると、遠くの方でシュワシュワ鳴っているような薄〜い使い方も出来る。
また、BIASツマミの調整によって原音に近く音痩せが無いポジションが選べる。これはフェイザーにとってはとても重要なことだ。大抵のフェイザーはポジション関係なくONにしたと同時にフェイザー特有の音痩せがあり、いかにもフェイザー掛けましたって音になってしまう。
さりげないPhaserからユニヴァイブ、ヴィブラートまで多彩な音がこんなに簡単に出てしまうのはちょっと不思議なくらい。特にユニヴァイブモードに興味を持ったので、もうちょっといじってみたいと思う。
プリント基板があれば簡単に作れるので、是非お勧め!
2006.06.04
|