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プリント基板製作マニュアル

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プリント基板製作マニュアル

プリント基板製作マニュアルby素人工作員さん

感光基板を使ったプリント基板の製作ということだが、松美庵はプリント基板自体作ったことが無い(高校生の頃無理矢理作った経験は有り)。なので、ほぼ未経験者から見た製作マニュアルとして完成すべく、素人工作員さんに質問を繰り返し、松美庵なりにまとめてみた。

ここからは、素人工作員さんが詳しくレポートしてくれたので、バトンタッチしましょう

-----以下、写真と文章は素人工作員さんが作成してくれました。-----

今回コラボレーション企画ということですので、普段やっている基板の作り方を紹介したいと思います。

まずはすでに紹介しているようなPCBパターンを作ります。イラストレーターというソフトを使ってレイアウト図を作るのですが、お絵描き感覚で描け、また部品の配置を微妙にずらしたり出来るので基板を小さくするのに役立っています。

レイアウト図が出来たらパターンだけを取出し、透明シートに印刷焼付け用フィルムを作ります。

何枚かの基板を一度に作るのが効率良いのですが、作例で使用している感光基板は数をまとめて作るために150×200サイズの感光基板を使用しています。サンハヤトでは75×100サイズの感光基板がありますので、少し手間ですが2つのデーターを印刷し、必要部分を切り取り、それを感光基板に並べてセットするという方法もあります。
印刷する際、bmpやjpegの画像データーに変換してしまうとパターンが荒くなってしまうので、PDFのままの印刷をお勧めします。
もしご希望がありましたら、複数のデーターを集めたPDFファイルをお作りしますので申しつけ下さい。例えば「OD-1とDS-1の基板を作りたいので2つのデーターを並べたものが欲しい」みたいな感じで。

使用しているフィルムは、サンハヤトのマットフィルム(MF-302 200×302mm×2枚 \347)です。ただ、このフィルムはインクジェットプリンターでは印刷できません。サンハヤトではインクジェット用に「インクジェットフィルム(PF-3 A4 3枚入り \1,680)」があります。ちょっと高いですよね。なので、OHPシートをお勧めします
以前はOHPシートを使っていましたが無くなりましたので、サンハヤトのフィルムを使っていますが、OHPシートはA4サイズ20枚で1,000円程でしたので、またOHPシートに変えようかと考えています。
ちなみに素人工作員使用のプリンターは、ALPUS電気のMD-5500という熱転写プリンターです。

印刷したパターンを確認し、切れていたりピンホールがあれば、印刷面の裏から黒マジックで修正しておきます。

←PCBパターンを感光基板に焼き付けます。
感光基板の上にフィルムをセットし、フィルムの浮き防止に透明の板(3o厚の塩ビ板を使用しています)を乗せクリップで固定し光にあてます。
蛍光灯でも出来ますが、天気が良い日は日光でやると2〜3分で出来ます。感光剤は紫外線に反応しますので、白熱電灯は不可です。
作例ではPhase45と90も一緒に作っています。感光剤は初めは青いのですが感光すると緑色に変化します。基板の周囲に光が当たるようにしておけば、固定用クリップをずらして色の変化を確認出来るので、感光完了の目安と出来ます。

感光基板はサンハヤトの製品しか知らないのですが、材質はフェノール(1.6mm厚),ガラスエポキシ(1.6mm厚),ガラスコンポジット(1o厚)でサイズは数種類あります。詳細はサンハヤトホームページをご覧下さい。
また、ICIというお店20%引きで通販されています
以前はフェノールを使っていましたが、ケースに入れたときの裏蓋との隙間が多くなるようにガラスコンポジット(1o厚)を使うようにしています。

感光できたら現像です。→


もうパターンが浮き出ていますが、現像液に漬けると光に当たった部分が溶け出します。新しい現像液だと青く溶け出すのですが、これは使い回ししている液なので変化して赤っぽくなっています。この現像液は今回で3回目です。何回まで使えるのでしょう。以前は1回使うと捨てていました... 現像液は30℃程で使うようですが、水のままでも十分現像できました。

現像ができたらPCBパターンをチェックし、レジスト膜に欠けやピンホールがあればマジックでその部分を塗って修正します。

 

現像液は水に溶かして使うDP-50(粉末50g 1リットル分)、エッチング液はH-1000A(1リットル入り)です。
製作する枚数が5〜6枚程度までなら、現像液200cc分のDP-10とエッチング液H-200A(200cc)で使いまわし出来ると思います。

←そしてエッチングします。すでに銅が溶け始め液が黒っぽくなっています。

反応し易いように容器をゆすって液を循環させます。本当は液を40℃ぐらいに温めると一番効率がいいらしいのですが、面倒なのでそのままやってます。ちなみに液温は25℃。それでも30分程で出来ました。 

 

各液体用の容器は使う感光基板の大きさに合わせて選んでください。100均のタッパーとかで十分です。くれぐれも金属製の容器は使わないように。容器も溶けてしまいます。
廃液処理は、サンハヤトの製品でしたら処理剤と容器が付属しています。

エッチング完了。→

エッチング液の節約のため周りはレジストペン、細かな修正はマッキーの黒で塗っているのですが、ご覧のとおりエッチング液に負けて溶けています。細かな修正は大丈夫ですが、やはりマッキーの青が良いのでしょうね。

 

 

ここまでは割りと簡単に出来るのですが、このあと結構つらい作業が待っています。

←まずは基板の切出し

そこそこいい感じに切出してヤスリで仕上げています。

この電動鋸は、ずいぶん前に模型で金属板を切出すのに安くて使えるものはないかと思って買ったプラモデルの電動鋸です。その時はあまり使えなかったのですが、今は大活躍。フェノール基板はPカッターで切れるのですが、ガラスコンポジットは動力を使わないと無理です。でもガラスコンポジットを切るとすぐに鋸歯がへたってしまいます。

普通は糸鋸とか金鋸で充分です。またヤスリも普通のを使っています。

 

カットを仕上げたら穴あけです。これが一番疲れます。→

基本的に部品の取り付け穴は0.8o、配線取り付け穴は1oであけています。ほかに1.2oがあると太い配線にも対応できると思います。

これも模型用に簡単な旋盤をやってみたくて買ったマルチメカです。買ったはいいが模型をやる気力が無くなり、基板の穴あけにしか使っていません。これでランドのど真中に穴あけるの難しいですよ。手であけた方が真中にあくのですが...。普通はハンディタイプのドリルで充分です。

旋盤はヤフオクで購入しました。旋盤の他、電動鋸,ボール盤,サンダー等6種類のメカになります。それぞれ同時には使えませんが...。
ドリルの刃もヤフオクです。新品を買うと1本1,000円以上するのですが、中古の再研磨品ですが数種類のサイズがセットで500円ほどで買えます。
不要なサイズがあったりしますがそれでも安いです。超硬ドリルで検索するとあります。 

穴あけが終わったらレジスト膜を落とす作業です。シンナーにどぶ漬けにして筆で擦っています。アルコールでも落とせるようです。
また、スコッチブライト等の研磨用スポンジ(台所用スポンジの片面についている硬い部分)で擦っても落とせます。

←そしてフラックスで保護します。

フラックスはHB-20Fを使っていますが、H-10Fというのがあり、こちらの方が安いです。

 

通常はこれで部品を付けていけばいいのですが、もう一つ手を加えます。市販品で使用している緑色の保護膜です。

まずランド(部品取付け部)をマスキングします。→

模型用のマスキング剤で乾くとゴムになります。つまようじの頭に適量を付け軽くスタンプするように塗っていきます。

 

 

 

 

←使うのはスプレー式のグリーンレジストです。ドライヤーで乾かすとすぐに手に付かないくらいに乾きます。

 

 

 

 

マスキングを剥して完成。→

マスキングは簡単にはがれます。一つずつ剥すのは面倒なので、手のひらで強めにぐりぐり擦って一気に剥しています。

本当は売買BBSに出している分もグリーンレジストしたいのですが、手間はさておき完全乾燥に1週間ほど掛かりますし、マスキングの影響かハンダののりが悪くなる場合があるのです。

また耐熱性があると書いてあるのですが、サンハヤトの製品情報を見ると耐熱温度130℃とあるように半田ごてを当てると溶けます。簡易的なものみたいですので、興味ある方はこれを参考にご自分でやってみてください。

2006.01.03

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