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Greco MR-800 / 脂のティディー中年さん

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Greco MR-800 / 脂のティディー中年さん

Greco MR-800/ 脂のティディー中年さん

こちらは、脂のティディー中年さん所有のギターです。大変珍しいレアな逸品です。

オーナー:脂のティディー中年さんからのコメント

 『グレコ MR−800』

 このギターは1976年にグレコから発売された前期型(‘77年にマイナーチェンジ)のMR−800です。MRシリーズはこの他にシングルピックアップ搭載のMR−600と、800よりもちょっとゴージャスなMR−1000がありました。‘79年から似たようなスペック&ボディーのMXシリーズもありましたが、どちらも不人気なためか?‘80年に入って生産中止になったようです。その後私のようなヘンタイのために?
何を思ったのかグレコさんが1990年半ばにリイシュー・モデルとして「MR−1800」として再生産しましたが、18万円と言う強気な価格と、MRのスペックにもはやダレも驚かなくなったのか、コチラもセールスは振るわなかったようです(笑)。

 それでこのMR。企画から生産、販売に至る1970年代半ばの高度経済成長の荒波から「パワー&スペック至上主義」に至る世相を楽器にも反映したのか?はたまたグレコのエレキ製造のノウハウが頂点に達したのか?ストラト&レスポールのコピーを突き抜けて(実際、当時のグレコのコピー・モデルを絶賛するミュージシャンが多かった。)オリジナル・モデルでグレコを再認識してもらおうと言う意識から生まれたモデル?かと。

 ボディー:マホガニーバック&メイプルトップ
 ネック:メイプル&ローズウッド指板(セットネック/24F)
 ペグ:グレコオリジナル(グローバータイプ)
 サーキット:2V・2T 2H(グレコオリジナル)
 ブリッジ:バダスタイプ
 カラー:タバコブラウン・サンバースト

 まー要するに、グレコさんはレスポールのサウンドでフュージョン向けのギターを作りたかった?大元をたどればこのMRはバッドカンパニーのミック・ラルフスのために作られたモデルらしい(MRはそのイニシャル)が、その後ミック・ラルフスはドコ行ったのか?
んで、国内向けのイメージ・キャラクターは当時のスーパーテクニカル・ギタリスト森園勝敏氏を起用。しかしその森園氏も「広告には出てたけどあんまり使ってないんですよ。」ですと(←おいおい)。

 実際にこのMRを弾いてみると・・・「ダブル・カッタウエイで24Fならプレイアビリティーはバッチリ!」と思っていたヒトはそのボディー&ネックのバランスの悪さに裏切られます(マジ)。そう、ヘッドが重いんです!座って弾くとまずはこの長いネックがテコの原理で・・・
「ならば」とストラップを付けて立って弾いてもやはりヘッドが沈む。私のこのMR−800は10年ほど前に新宿のゴールデン・ギターと言うショップで中古で購入したのですが、前オーナーもこのバランスの悪さとかなり格闘したらしく、ボディー裏にストラップ・ピンの位置を変更した痕が痛々しく残っています。

 アンプを通して音を出すと、ピックアップのパワー感とマホ・バック&メイプル・トップの組み合わせがあいまって「いい感じ」なのですが、この「ヘッドの重さ感」がマイナス要因となったコトは否めないでしょう。ハイスペックを目指したはずなのに、かえってそのスペックがプレイアビリティーを損なう結果になるとは・・・グレコさんもコレで市販したのが不思議なくらいです。

 ハナシはちょっと逸れるけど、その昔「スタインバーガー」というエレキがありましたよね?ヘッドレスでグラファイト・ボディー&ネックは変形知らずでデッド・ポイント無し。ロー・インピーダンスのピックアップはノイズレス、トランストレムなんか各弦のチューニングを保ったままのアームアップ&ダウンでしかもそのままアームロック出来てしまうなんて!
 それまでのエレキギターのウイークポイントを全て排除したかのような画期的なギターでしたが・・・。ノイズレスのサウンドはPA屋さんには歓迎された?が、当のプレイヤー達の多くは(スタインバーガーを愛用している方もまだいるとは思いますが)結局「木で出来た、ノイズの出るサーキットの」それまでのエレキに戻ったようでした。

 やっぱりねぇ・・・エレキの世界はいまだにアンプに「真空管」を使い、その製造も「ハンド・ワイアード」した方が良い音になるってー世界ですから・・・。しかし、オリジナリティーを追求するグレコさんの姿勢はこのMRシリーズに限らず「ドライ・ピックアップ」や「TSビブラート」、「フット・ベンダー」やしまいにゃー「トリプルコイル・ピックアップ」なんてのも作ったりしちゃいます。この意欲と同時にやはりコピー・モデルのサウンドの追求があってこそ、あの本家本元のフェンダー社から「ジャパン・フェンダー」として認められたんだと思います。

 結局このMRシリーズは「思いを込めて作り過ぎた故のマイナーモデル」と言えるのではないでしょうか?リイシュー・モデルも中古市場でもあまり見かけませんし。でも個人的にはやはりこのスペックに憧れていたので、好きなモデルです。こんなヘンタイなモデルはもー出てこないだろーなー・・・(遠い目)。

松美庵からのコメント

MR-800ですか!懐かしいなぁ、当時TV宣伝してましたよね。今じゃギターをTVのCMに流すなんてありえないですよね。
いや〜、MR-800の歴史まで紐解いてくれて大変参考になりました。

1976年というとグレコが写真コピー(現物が無く写真で型を起こした)していた頃から、たった2〜3年後ですよ。まだトーカイやフェルナンデスでもデッドコピーさえしていない時代でしたから、このようなオリジナルでしかも24フレット仕様は、かなり画期的だったと思います。

当時ボクはまだ中学生だったので、宣伝見て「すごいな〜」としか思えず、FenderやGibsonのコピー物にしか目が行ってなかった様に覚えています。実際、中学生じゃなくてもコピーが人気な時代だったと思います。なので、このMR-800が人気出なかったのは仕方ないことですね。

脂のティディー中年さん、投稿ありがとうございました。

2006.09.17

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