このOD-880は、Overgrowthのtakewaki氏所有の物である。
お借りして早速分解してみた。まず、裏蓋を締めているネジの太いこと!この頃はまだBOSSブランドも出てない時代で、コンパクト化なんてのはほど遠い時代だ。
基板も起こして裏表確認しながら、FFFworksさんの回路図と比較してみる。まず、各部品の割り振り番号の違いをメモしていく。
回路図の違いを2箇所発見した。回路図のC8が33μFになっていた。もうひとつはやはり電源関係だが、9Vとアースの間に0.1μFのセラミックコンデンサが入っていた。その他は忠実にオリジナルをコピーしてくれているようだ。
おしいのは、時代のせいかトゥルーバイパスではないこと。しかし、これだけのレアエフェクターだと改造する気にならない。ACアダプタージャックもそうだ、今では考えられないコネクタを使用している。
分解しての発見はポットが24ミリを使っていること。フットスイッチがミヤマ製(型番読み取れず)を使っていること。0.1μFのフィルムコンデンサにはYAMATOと印刷されていた。その他抵抗はカーボンだし、普通の部品で作られている。配線材も1ミリ程度の細い撚り線だ。
回路に関してはFFFworksさんのブログに詳しく載っているので、参考にして欲しい。
自作OD-880と比較してみた。うん〜?なんか全然違うじゃん。おかしいなぁ、高音の暴れ方が全く違う。自作の方は暴れずにまとまっている感じだ。
試しに自作OD-880を電池で駆動してみた。アレマ、高音が暴れるようになって、近い音になった。聞いてはいたが、ACアダプターと電池ってこんなに音が違うのか!
かなり近い音なのだが、オリジナルの方が低音が少ない。自作OD-880の方が低音がある分、音が丸く感じる。オリジナルはすでに経年変化の領域なのだろうか?あるいは、先に触れた電源関係の回路の違いなのかもしれない。
そこで右写真のようなコネクタを作り、オリジナルOD-880もACアダプターで駆動してみた。(注意:これを作る時は+−逆に配線すること)
ゲインが若干落ちた。なるほど、ACアダプターだと電池より電圧が下がるからゲインも落ちるってことか。しかし、音質も丸くなっている。自作OD-880より丸くはないが、明らかに音質が変わっている。倍音の成分が、電池の方が伸び伸びと出ているように聞こえる。低音側は電池もACアダプターもあまり変わらない。
所有者のtakewaki氏によると、「この機種が世界で始めてACアダプター使えるようになったと、メーカーで威張っていた」とのこと。従ってこの当時のエフェクターほとんどが、電池駆動を前提に作られていると言っても過言ではない。これからは、自作OD-880も電池駆動することにした。
松美庵は忠実に再現したOD-880をもう一個作りたくなった。
とりあえず、自作OD-880の回路を訂正しながら、音質の違いを研究して行こうと思う。
2005.04.26
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